大切な家族を亡くし、深い悲しみの中で葬儀の準備を進める際、費用の支払いとそれに伴う「領収書」の受け取りは、後々の手続きのために非常に重要な事務作業となります。この領収書は、主に相続税の申告時に葬儀費用を控除するために不可欠な証明書類となります。葬儀社から領収書を受け取る際には、必ず以下の5つの項目が正しく記載されているかを確認しましょう。発行日: 領収書が発行された日付です。宛名: 費用を支払った人の氏名をフルネームで記載してもらいます。通常は喪主となりますが、兄弟などで分担して支払った場合は、実際に支払った人の名前である必要があります。金額: 支払った総額が正確に記載されているかを確認します。改ざんを防ぐため、漢数字の旧字体(例:金参拾萬圓也)で書かれているとより丁寧です。但し書き: 何の費用として支払ったかを示す項目です。「お品代として」のような曖昧な書き方ではなく、「葬儀一式費用として」「〇〇〇〇(故人名)様の葬儀費用として」など、目的が明確に分かるように書いてもらうことが重要です。発行者: 葬儀社の正式名称、住所、そして社印(角印)が押されているかを確認します。これらの項目が漏れなく記載されていることで、税務署など第三者が見ても、誰が、いつ、何のために、いくら支払ったのかが明確になります。また、可能であれば、領収書と合わせて「請求明細書」も必ず受け取り、大切に保管しておきましょう。明細書があれば、どの費用が相続税の控除対象となるかを後で仕分ける際に大変役立ちます。