身近な人が亡くなるという事態は、人生において何度か経験することではありますが、何度経験しても深い悲しみと動揺を伴うものです。しかし、現実には悲しみに浸る間もなく、次々と山積みの「やること」に対処していかなければなりません。まず最初に行うべきは、医師による死亡診断書の受領です。病院で亡くなった場合はその場で発行されますが、自宅や外出先での急死の場合は警察への連絡と検視が必要になることもあります。この死亡診断書は、その後のすべての手続きの起点となる極めて重要な書類であり、コピーを10枚から20枚程度取っておくことを強くお勧めします。次に、葬儀社の選定と遺体の搬送先を決定しなければなりません。病院の霊安室に安置できる時間は極めて短く、数時間以内に搬送を求められることが一般的です。生前に葬儀社を決めていない場合は、病院から紹介される業者に依頼することも可能ですが、一度搬送してしまうとその後の変更が難しくなるため、冷静な判断が求められます。搬送先は自宅か、葬儀社の安置施設になりますが、自宅の場合は布団の向きや部屋の整理など受け入れの準備が必要です。安置が完了したら、寺院や宗教者への連絡、親族への訃報通知を行います。ここで重要なのは、葬儀の形式や規模を大まかに決めることです。一般葬にするのか家族葬にするのか、火葬のみの直葬にするのかによって、連絡する範囲や準備する費用が大きく変わります。また、喪主を誰が務めるかを明確にし、葬儀社との本格的な打ち合わせに入ります。打ち合わせでは、通夜や告別式の日程、祭壇のデザイン、料理や返礼品の種類、会葬御礼の文面などを一つひとつ決めていきます。この際、予算の総額を常に意識し、不必要なオプションが含まれていないかを確認することが大切です。さらに、役所への死亡届の提出と火葬許可証の取得も急務ですが、これらは多くの場合、葬儀社が代行してくれます。火葬場が混み合っている場合は、葬儀の日程が数日延びることもあり、その間のドライアイス代などの追加費用についても把握しておく必要があります。遺影写真の選定も意外と時間がかかる作業です。故人らしい自然な表情の写真を選び、データまたは現物を葬儀社に渡します。こうした怒涛のようなプロセスを、限られた時間の中で進めるためには、家族間で役割分担を明確にし、メモを取りながら一つひとつ確実に消し込んでいくことが、後悔のない葬儀を実現するための鍵となります。
身近な人が亡くなった直後に優先して行うべき葬儀の準備と事務手続き