愛する人を亡くした衝撃の中で、葬儀まで6日間という長い期間を緊張状態で過ごすことは、遺族の心身に多大なストレスを与えます。多くの遺族が、最初の1、2日はアドレナリンが出て動けるものの、4日目、5日目あたりで急激な疲労と虚脱感に襲われる「中だるみ」の状態に陥ります。この6日間をいかに健康に乗り切り、本番の葬儀を万全の態勢で迎えられるかは、その後のグリーフケア(悲嘆のケア)においても極めて重要です。まずやるべきことは、喪主一人にすべての負担を集中させないことです。6日間という時間は、親族間で役割を分担するのに十分な期間です。事務手続き担当、親戚対応担当、安置所での付き添い担当といった具合にチームで動くことで、一人ひとりが睡眠や休息をとる時間を確保できます。特に夜間の付き添いについては、毎日徹夜をするようなことは避け、葬儀社のスタッフに任せるか、交代制にすることを強くお勧めします。また、6日間という待機期間中は、意識的に「葬儀のことを考えない時間」を作ることが大切です。1日30分でも良いので、外の空気を吸いに散歩へ行ったり、静かな音楽を聴いたりして、脳をリラックスさせる時間を持ってください。周囲の親戚から様々な意見やアドバイスが寄せられるのもこの時期ですが、すべてを真に受けて対応しようとすると精神的に磨耗してしまいます。「ありがとうございます、検討してみます」と受け流す強さも必要です。さらに、6日間も故人と一緒にいることで、逆に死の現実を突きつけられすぎてしまい、深い抑うつ状態に陥る方もいます。そのようなときは、悲しみを無理に抑え込むのではなく、信頼できる家族や友人に今の気持ちを吐露してください。泣くことは自然なデトックスであり、6日間かけてじっくりと泣くことで、葬儀当日には落ち着いて弔辞を述べられるようになることもあります。一方で、食事を疎かにしてはいけません。栄養不足は判断力を鈍らせ、イライラの原因になります。簡単なもので良いので、3食決まった時間に温かいものを口にする習慣を保ちましょう。6日間という期間は、いわばフルマラソンのようなものです。最初から全力疾走するのではなく、ペース配分を考え、時には歩みを止めて休息をとる。それが、6日後の葬儀で故人を笑顔で見送るために最も必要な準備なのです。遺族がボロボロの状態では、故人も安心して旅立つことができません。自分自身の心と体を慈しむことこそが、この6日間における最大の供養であることを忘れないでください。