近年、葬儀の形態が家族葬や少人数の密葬へとシフトする中で、スタンド花の役割や傾向にも大きな変化が見られます。かつての一般葬では、義理や付き合いで贈られる大量のスタンド花が斎場を埋め尽くす光景が一般的でしたが、家族葬では本当に親しかった人々だけが、故人のために真心を込めて花を贈る傾向が強まっています。これに伴い、花のスタイルも「均一化された巨大なスタンド」から「個性的で温かみのあるアレンジメント」へと多様化しています。家族葬専用の小さな式場では、従来の大きなスタンド花を置くスペースがないことも多く、コンパクトながらも高級感のある1段スタンドや、床に直接置けるモダンなスタイルの供花が選ばれています。色使いについても、白一色の厳格なものより、故人の人柄を反映させた柔らかい色調が好まれます。例えば、おばあちゃんの葬儀であれば優しいイエローやピンクを、働き盛りだった男性であれば爽やかなブルーや紫を取り入れるといった具合です。また、家族葬では「供花辞退」を掲げる遺族も多いですが、一方で「お花だけは華やかにしてあげたい」という願いから、親族が資金を出し合って大きなスタンド花を数台用意することもあります。この際、名札には「孫一同」「子供一同」といった親密な表記が並び、非常にアットホームな雰囲気が演出されます。さらに、デジタル化の影響で、スタンド花と一緒に故人の思い出の写真をデジタルサイネージで表示したり、QRコードから故人の経歴を読み取れるようにしたりする新しいサービスと連携するケースも出てきています。スタンド花の役割も、単なる飾りから「会話のきっかけ」へと変わってきています。親戚が集まった際に、「あのスタンド花は、お父さんが好きだった花を取り入れてくれたんだね」といった会話が生まれることで、悲しみの場が温かい追悼の場へと変わっていきます。15000円から20000円という価格帯は変わりませんが、その中身にはより具体的なエピソードや想いが込められるようになっています。時代の変化とともに葬儀は簡素化されているように見えますが、その分、1台のスタンド花に込められる「個」への想いは、以前よりもずっと濃密なものになっていると言えるでしょう。
家族葬におけるスタンド花の新しい活用と傾向